【ポンペイ・グラフィティ】本村凌二著 中公新書 1996年刊 「積読解消」 スッキリStay at Homeだからできたこと キリスト教に支配される前の市民の生活が蘇る 

ローマ文明が「固まったまま」残されたポンペイ

ローマ帝国の市民の生活の実態を今でも見られる場所は南イタリア、それもポンペイ周辺である。ここには、紀元76年ベスビオス火山噴火で埋もれてしまった、ローマ文明が「固まったまま」残された。
ポンペイ遺跡とその周辺について私が訪問した時の記録を合わせてまとめる。
見るべきポイントは4つ
1. Nopoli考古学博物館
2. Pompei遺跡
3. Paestum
まだ行っていないところ
4. Herculaneum
米国のローマ遺跡
5. Getty Villa、Getty Center
これらの絡みを最後にまとめよう
6. Paul GettyとGetty Museum

ナポリ湾沿いの遺跡はどれも魅力的

ポンペイ周辺の遺跡

1. Nopoli考古学博物館

ここに、ポンペイで発掘された遺跡壁画などが集められている。
アレキサンダー大王とダリウスIII世のイッソスの戦いの壁画はここにある。
また、本の中ではあまり取り上げられていないが、「風俗」のコレクションは半端ではない。特別展示室になっている。

2. Pompei遺跡

足元の舗道にまで、遊びが隠されている

3. Paestum

Napoliから落書き電車に乗ってPaestumという田舎駅で降りる。
訪れる人もほとんどいない300BC頃に廃墟になった古代ギリシャの街
2つの大きな神殿跡がある、

このダイナミックな構成の壁画は⇩、冥界に旅立つ死者を表していると言われている。
鳴門の、大塚国際美術館にレプリカが展示されている。

4. Herculaneum

ここはどうしても行きたいと思って、今年の計画に入れた。⇧の地図でヘルクラネウムである。
シチリアを回って、落書き電車でゆく予定だったが、行けなくなった。
行きたかった理由は、超大富豪Paul Getty(1892-1976)がイタリアに魅せられた場所だから。
そして、彼のGetty Villaはここにあるローマ貴族の別荘を模している。(はず)

5. Getty Villa、Getty Center

米国にある、古代ローマコレクションはNYCのMET Museum、DCのNational Gallary、LAのGetty Museum and Villaが中心である。
COVID-19で現在は閉館中であるが、今後VRでの見学などに期待したい。中でもGetty MuseumとVillaは無料のGuided Tourが充実している。

6. Paul GettyとGetty Museum

私は歩き回るのが好きだ。
遺跡に行っても、電車バスを使って、基本的に歩き回る。
現場の情報が大事だと思うから。
例えばローマ市内にSPQRと書いた水道の蛇口から水が飲めるとか、Paestumで入ったCafeのエスプレッソが美味しかったとか、思い出が楽しくなる。

Gettyに関しては、彼がなぜ古代ローマの美に目覚め、のめり込んだかがとても興味がある。
2017年の映画「All the money in the world」という暗い映画がある。
日本語字幕の無料版はこちら「ゲティ家の身代金」
誘拐された孫の身代金を値切るという彼の気持ちが私にはわかる気がするから。

ローマからの遺跡の価値は「孫の価値」よりも遥かに大きいから。
壮絶な人生である。
我々はGetty Museumのおかげで、世界中の美術館の収蔵品の修復とか、が進んでいる。それは、美術品の持つ「魅力」だと思う。

人生100年大人の学びで考えると

ギリシャ・ヘレニズム・ローマの美術品のレベルの高さが、ルネッサンスの芸術家を生み出した。どちらも人類史上至高のレベルである。
前者はキリスト教の支配以前、後者はキリスト教の経典に準じる。
どちらも素晴らしい。
これから、宗教の虚構と宣言された我々は、どうやって美の感覚を持ち続けるのだろうか。もちろん、過去を十分学びながら進むのであるが。

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