【世界史概観】ランケ著 日本語訳1961年刊 バイエルン国王マクシミリアンII世に世界史19講座を進講した記録(1854年9月〜10月)1815年からのウイーン体制下でのドイツの統一過程の参考になる資料。 ランケの未完の「世界史」の下書きとも言われている 

[私の学び]今だから少し読める本

欧州の近代史を勉強していなかった頃は読めなかった本。
だからと言って、今でも十分読めているわけではない。
20世紀の歴史を振り返る時、第一次世界大戦への突入経路はウイーン会議以後のナポレオン三世によるフランス第二帝政(1867年パリ博に幕末の日本から渋沢栄一らが来る)やイタリア、ドイツの独立に伴う、欧州のパワーバランスである。

戦争に資金提供の話は出てこない

そして、同時に国際金融資本が資金を提供することで、それぞれの国は戦争の準備ができるようになった時代でもあるはずだが、それは出てこない。
歴史学者の関与することではないということで触れられていないのかもしれない。

この著作は、1850年代、欧州が分裂や統合をする最中のランケのバイエルン国王への進講をまとめている。17回の講義は対話型で進められ、紀元後のローマ帝国から順次欧州の宗教勢力の推移、諸侯勢力の変遷、フランス革命による共和制の採用などを、丁寧に説明している。

まだ私自身の中でこなれていないが、日本史、世界史、政治体制、経済体制の絡みが広がった。
人生100年大人の学びは、過去の知識の点と点をつなぐ作業でもある。
ホコリをかぶった本ではあったが、読み直すと、近代日本ともつながっていることが理解できた。

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