【帝王学「倫理」第四十講 「修理固成」】杉浦重剛著 「倫理」より[YouTube]国の経営は、先祖からの志を現在の状況に反映させて 国民が豊かに平和になれるように 天皇と心を合わせて築いてゆく 列強となった、今は、世界も日本の志で 世界もリードすべし

我が国では、最初に歴史を編纂したのは 聖徳太子と蘇我馬子だと言われていますが その書物は蘇我氏と一緒に焼失しました。 元明天皇(げんめい)の時代になって太安万侶に命じて 国史を書きまとめました。 安麻呂が引き受けて、稗田阿礼が語る言葉を 文章にしたのが「古事記」です。 その一節に、「二十八歳の稗田阿礼は賢くて 見たこと聞いたことをかたっぱしから覚える人で その記憶をまとめて古事記にした」とあります。
我が国の最古の歴史が書かれているので 国学者、神道家、歴史家が尊重しています。 日本書紀は古事記に八年遅れて編纂されました。

古事記の神代編ではイザナギとイザナミが 天の神の命令で、国を産む 大阪湾のオノコロ島が最初 大八洲を作って、天孫民族を住ませることにした。
神話は比喩的なので、このことは 国を発見し、国土を配置し、改良を重ね大和民族の 国の基礎を形作るということです。 これが、 「修理固成」の意味です。
太古の事実を述べる時に、比喩を用いるのは 我が国だけではありません 。世界中あらゆる国がそうしています。

弟子の山口宏澤(こうたく)が「修理固成」の意味を 論文にしました。 イザナギとイザナミの「修理固成」での役割は 大八洲を作ったところで一段落しましたが それで終わりではありません。 歴代の天皇が大御心を持って、国としてさらに「修理固成」をされたのは史実で明確です。 すなわち、天照大神がイザナギとイザナミの志を継いで それを拡大し、孫の神武天皇が日向の国で 家来を集めて、東征を決心されました 。本州を平定して日本帝国を作るという「修理固成」で 国家の一大事業をされたわけです。

「修理固成」は、歴代の天皇が次々と取り組みます。 崇神天皇即位四年十月に詔で 「歴代の天皇が、即位したのは、自分のためではなく 万民の生活を整えて、平安に暮らせるように 慈悲と思いやりの心で政治をされた 私は、その決められたことに背くわけにはゆかない 役人の人々よ、私と一緒になって正しい心で 国民が安心して暮らせるようにしよう」 天皇が神を祀り、人々を大切にして 皇室に従わない部族は、征服したり、降伏させたりして 国家の経営をされました。  「修理固成」の神意の継承です。
景行天皇はヤマトタケルと父子で 西は熊襲、東は蝦夷の征定に注力しました。神功皇后は新羅を討伐されました。 「修理固成」の継承です。

それでも、弊害も出てきました。 蘇我氏の権力が横暴を極め 中大兄皇子、中臣鎌足が力を合わせて断行し 大化改新という「修理固成」が行われました。 藤原氏の横暴も朝廷の権威が衰退して「修理固成」 できずに長いこと続きました。 源頼朝は武士の天下として平定しました。 北条泰時はそれを引き継ぎ、国は平安になりました。 これは「修理固成」を朝廷に代わって行ったわけです ですから、南朝の北畠親房は「神皇正統記」で 頼朝、泰時を称賛しています。 北条氏が衰えてからは、後醍醐天皇は一時「建武中興」を されましたが、うまくゆきませんでした 。足利時代の百年以上の乱世は、織田、豊臣、徳川が 治めましたが「修理固成」の主権は幕府でした。

徳川幕府が衰えて、明治天皇が勤王の人々を集めて 王政維新をされました。 明治以降の新日本帝国の経営をされました。 これは朝廷の「修理固成」なのです。 大方針として「五條御誓文」を神様と約束されました。 それに従って、政治、法律、その他社会全般が着々と 改良進歩して、現在のような世の中になりました。 このように見ますと、柔を剛にして、弱を強にして 曲がったものを真っ直ぐにして 邪を正にすることが「修理固成」であることがわかります。 イザナギとイザナミから二千五百年以上歴代の天皇が 大御心を傾けて実行されたのです。

支那では、夏の禹王が洪水に苦しむ人々を救うために 寝食を忘れて十数年東奔西走して大事業を完成させずば抜けた「修理固成」をしました。

現在の我が帝国は、昔の鎖国の時代とは異なり、列強です ですから、自国の「修理固成」は当然として、進んで 全世界にも「修理固成」するという考えが重要です。
現在の欧州の大戦の各国の実情は悲惨です。 道義の根本が常にブレています。 ポールリシャールは日本帝国に「世界の混乱を治めてくれ」 という議論を公表しました。 外国人から見ても、我が国は頼りになるのです。 自分たちから立ち上がってゆくべきです。
神を敬って、徳を中心に、あくまでも正義をもって 列国に立ち向かうのです。 列国も正義に従ってくるでしょう。 

人生100年大人の学び

「修理固有」という言葉は、私には初めての言葉である。考えれば杉浦重剛氏の話は100年以上前のことだから、やむを得ない。常に改善しつつより良くしてゆく思想である。古事記を読むと、日本の歴史は、天皇の大家族の歴史である。親的な「大御心」と子としての存在「大御宝」が元親の「志」を継ぎながら発展させた国であることがわかる。

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