【杉浦重剛 帝王学「教育勅語05」】[YouTube]兄弟姉妹は友愛、夫婦は唱和 私も、早く実行しておけば人生変わったかも

兄弟ニ友ニ

1.兄弟間の友愛
兄弟姉妹の間は友人間の情愛で交わるべし。 兄弟姉妹は、父母の分身で、木の幹から生じた枝にあたる 。父母から見れば、兄弟姉妹の区別なく愛すること 。

2.友愛と長幼の序
長幼の秩序がないと、動物と同じになってしまう。 人間が万物の霊長であるのは、馴れ馴れしくすることなく 愛の中に秩序を認めることである。 だから、父母が亡くなった後は兄が弟妹を指導する。

3.永続的友愛
全ての徳の主要素は永続的であること。 一時的なものは徳とは呼べない。 兄弟姉妹は、父母の元で子供の時だけの愛であれば 軟弱な徳で、私の希望する友愛は、世間の波風でも 挫けない男性的なもので、永続性のあるもの。 成長して、家族を持ってからも、友愛が終始一貫するもの である。

4.友愛と境遇
孝養がが境遇に対応して同じではないように 友愛も境遇によって変わる。 しかし、我が国の天皇はそのご兄弟との関係は 国民のそれとは大いに異なる。 天皇は国君で、それ以外は臣民である。 兄上としての天皇は、弟妹には補佐役の臣下として 奉仕させるべきである。 中流以上の兄弟は、家門を辱しめずに兄弟協力して 家名を挙げるべき、中流以下では、心身を尽くして 一家の繁栄を計るべきである。

①億計王(おけ)弘計王(をけ)二王子の友愛
第22代清寧天皇(せいねい)は皇子がいなかった。 第17代履中天皇(りちゅう)の二人の孫、兄の億計王と 弟の弘計王が播磨国に隠れていることがわかって舎人を 送って迎えに行った。 弟は、兄を世に出そうと腐心していた。
清寧天皇は、億計王を皇太子にして弘計王を皇子とした。 清寧天皇が亡くなった後、億計王は、実績のある弟の弘計王 に帝位を譲った。 顕宗天皇(けんそう)です。 顕宗天皇は億計王の補佐と助言で政治を行なった。
顕宗天皇が亡くなったあと、億計王が仁賢天皇となる。 この兄弟は辛酸を舐めてきたが友愛を継続して立派である。

②備前の兄弟
備前国の池田光政(1609-82)の領地に2兄弟がいて 田地の争いで結論がでなかった。 光政は、熊沢蕃山の弟、泉八右衛門に裁判を命じた。 八右衛門は、自宅に二人の兄弟を呼んだ。 二人の兄弟が自宅にゆくと、八右衛門は家来に 「今日は所用があるので、そのまま待ってほしい」 夜中になっても、待たされました 。流石に、兄弟、子供の頃の話などを始め 最後には、打ち解けるようになった。
八右衛門は、ようやく現れ、二人に友愛の理を話して 兄弟は涙を流して和解しました。兄弟の友愛の例です。

夫婦相和シ

1.意義
夫婦相和しては、夫婦が互いに和合一致して 夫は妻を労り、妻は夫を敬って、家が保たれる。 家で夫婦は子供の手本だから、お互いに至誠・忠実 相和して、一家の健全と幸福の築くべきです。 夫婦の役割は異なる 男は外で働く、女子は家庭内を治めるのが役割。 夫婦は長短をお互いに補い合って、完全な形になる。 夫婦の調和は大事である。この場合でも徳には 序列があるので、夫婦も同じである。 夫が中心で、婦は調和して従うべきである。

①雄略天皇と皇后幡梭姫(はたひひめ)
第21代雄略天皇は、最初部下たちに厳しすぎた。 葛城山で猟をした時に、猪が天皇の前に現れた。 天皇は従者にこれを殺すように命じたが、従者は逃げて 天皇は自ら弓で猪を仕留めて、足で踏み殺した。
その後、従者の臆病を咎めて斬り殺そうとした 。その時幡梭姫が「獣のことで、人を殺してはいけません」 と諌めました。 天皇はその言葉を受け入れ、帰り道同じ車の中で「猟して 鳥獣を得る。今日は良い言葉をもらって帰る」 周りが皆「万歳」と叫びました。 皇后の内助の功、天皇の受け容れの「和合一致」です。

②豊臣秀吉と北政所
豊臣秀吉は卓越した英雄で、下層階級から出て天下を平定し 皇室の衰退を復興し、国威を海外にも知らしめました。 その夫人の北政所(ねね・高台院)は秀吉がまだ貧しい時に 結婚して、夫を助けて、内助の功が莫大でした。
秀吉の晩年、関白となって、何でもできるようになり京都の 聚楽第、伏見の築城など、好き放題をやっている時に 北政所は「昔の貧しかった時を忘れてはいけません」と 諌めました。

③乃木将軍夫婦
大正元年(1912)年九月十三日は、明治天皇の大喪の日 でした。 その日の午後8時、霊柩車が皇居をお出になる号砲と共に 天皇の後を追って、乃木将軍は殉死されました。 そして、乃木将軍を追って、静子夫人も殉死されました。
将軍の忠節・勇武・慈仁・高潔は、国民の手本でした。 静子夫人も、将軍の夫人として決してひけを取らず 日常よく将軍に仕えて、将軍に殉死しました。
将軍は古武士の典型で、夫人は日本女子の鏡です。

人生100年大人の学び

生まれてから一緒になる父母兄弟姉妹について、兄弟姉妹は永続的な友愛、夫婦は足らないところを補完することで唱和できると、人生が豊かになるというお話。引用される事例が味わい深く、我が身を振り返っても、もっと早く身についていれば、違った人生だったかもしれないと思わせる講義内容でした。

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