【杉浦重剛 帝王学最終回「教育勅語11」】[YouTube]日本人の徳性を生かした国家 杉浦帝王学の想いが伝わってきました

1.一旦緩急アレハ、義勇公󠄁ニ奉シ

国家に一旦危急の事変があれば、国民たるものは 正義の勇を奮って国家のために尽くすべし。 義勇とは、正しい道を行うために実行する勇気です。 公に奉ずとは、義勇を奮って国家のために一身を捧げることです。 義勇奉仕は3つの場面があります。

[その1]外国に対して

外国が、完全な日本の国体に対して侮辱するときは 国民は挙国一致してこれと戦うべきです。
①北条時宗 北条時宗(1251-84)が鎌倉の執権だった時にフビライが 日本を攻めて来て文永11年(1274)第91代後宇多天皇の時代に 元の兵隊1万5千、高麗兵8千、戦艦900艘で対馬・壱岐を攻めて 住民を殺し、さらに博多に攻め込み民家を焼き、市民を殺し 財産を奪い乱暴しましたが、たまたま暴風が起こり 船が破壊されて、逃げ帰りました。
さらに弘安4年(1281)、元軍は兵十余万、兵輸送船四千四百で 肥前(佐賀・長崎)の海上に現れた。第90代亀山上皇は伊勢神宮に 国難の身代わりの祈願を依頼し時宗は挙国一致で敵と対決しました。
たまたま、大風が起こって元軍は壊滅しました 。この危機を乗り切ったのは、上下一致して国難に当たったからです。

[その2]内乱に対して

国家の危急は外国との戦いだけでなく、内乱もあります。 この場合も、我が身を犠牲にしても正しい道のために 奮闘すべきなのです。
②[楠正成] 第96代後醍醐天皇の時代に、足利尊氏が反逆した時に 楠正成は勤王のために湊川で討ち死し、その子孫も 志を継いで困難に殉じて、一門が壊滅しました。 足利氏は、やっとのことで天下を統一できたのですが 楠正成がいなければ、我が国は大変だったでしょう。

[その3]逆臣に対して

逆臣が大義名分を乱そうとしたら、奮起して 一身の地位身分を捨てて、正しい道を行うべきです。
③[和気清麻呂] 和気清麻呂は、僧 道鏡が皇位を奪おうとしたことに対し 毅然として立ち向かい、皇室の基盤を末長く強固にしました。

明治維新の勤王の志士たちは、皇国の正しい道を実現するために あらゆる苦労をやり尽くして 勤王のために献身的に力を尽くしました。

2.義勇奉公は忠君愛国に基づく

以上申し上げたように、我が国民は国家の危急に際して 義勇奉公の行動をするのは、忠君愛国から発しています。 一旦危機が起これば、義勇奉公で毅然として最後の一人まで 戦います。 他所の国のように、一連隊の大軍が白旗を掲げて 降伏するような醜態は、大和民族の大恥です。
このような勇武の民が出てくるのは、皇祖皇宗が深い徳を 培われて、歴代天皇が、君主として徳を磨いて来たからです。 殿下も、ここを深くお考えになり、君主としての徳を 身につけていただきたいと思います。

3.以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼スヘシ

臣民は、先ほど述べた徳を行って、萬世一系の 天地とともに限界がない皇室の運命を賛助すべきです。 そのために、自分自身の徳を完成させて、他の人の徳に 影響を与えて、自他ともに完全な行いをして、国家に対する 徳まで発展させて、日常の仕事をきちんと仕上げて 危急の時にも、対処することができて はじめて皇室の運命を賛助できるのです。

4.是ノ如キハ獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス 又󠄂以テ爾祖󠄁先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン

このような行いができる臣民は、皇室に対して忠臣で また臣民の祖先に対してその教えを発揮する孝行な子供です。 先ほど述べたような徳行を完成させた臣民は 忠孝兼備の国民です。

5.斯ノ道󠄁ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ子孫臣民ノ 俱ニ遵󠄁守スヘキ所󠄁
之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス
朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ 咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ

この道は、皇祖皇宗の遺訓ですので、ご子孫である天皇は 臣民とともにこれを守ります。 古今東西この道を守って間違えることはありません。 これは、普遍的な永遠的な真理と言えます。
この御進講のはじめに申し上げました通り 菊池大麓男爵が英国で、日本の教育の中心が「教育勅語」 にあることを話したら、英国の教育家達は 「宗教以外にこのような権威あるものを見たことがない」 と羨望したそうです。
重剛も、かつて英国の友人が「日本人は宗教がなくても 尊敬できる国民であるのはどうしてか」と不思議がって 質問してきました。 日本には、皇祖皇宗の遺訓である「教育勅語」があることを 教えたところ、友人は敬服していました。
国内外で積極的に実践できることがわかります。
明治天皇は、 「朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ、咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ」 とおっしゃられているわけです 殿下もご自身で実行していただきたいのと同時に 「どうやって、国民をこの道に進めることができるのか」 の一点について、御留意いただきたく思います。 大正四年三月 御進講了

人生100年大人の学び

不肖私「教育勅語」を読み通したのは初めてです。杉浦重剛氏が、昭和天皇にお伝えしたかったのは、列強と争う中、日本の国、あるいは日本人の特質を把握して、君は国民の幸福を常に考え、国民は学ぶことと、正義を貫く勇気を持って国を盛り立てることだと、理解しました。
自宅待機の中、杉浦帝王学を五十五回シリーズで発信できた僥倖に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

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