平成を振り返るには、なかなか聞かせる内容なのでご紹介します。
これは、マナビ仲間Kさんからの紹介でじっくり見ました。
野口悠紀雄氏は日本が見過ごしてきたポイントは3つあると指摘。
I:1990年からの土地バブル崩壊と技術大変革(インターネット)の登場
II:2004年から2007年のリーマンショックまでの日本の偽りの回復
III:リーマンショック以降、置いていかれる日本
これらに、未だ気がついていないところが大問題だと指摘します。
この話の内容は、えっ!と思うことが沢山ある。例えばジュリアナ東京は1991年開店、1993年閉店である。私は1993年閉店のイベントに参加したので熱気は覚えている。Softbankの孫さんが欧州からチャーター便で駆けつけて挨拶したのも記憶にある。それは、日本の線香花火の最後の輝きだった。
そして、1995年に関して言えば、阪神大震災、地下鉄サリン事件、そして私が米国に転勤になった年でもある。私の視点ではInternetの普及がスタートした最初の年で、ここでの乗り遅れが日本の今に大きく影を落としていると思う。
もちろん世界では、社会主義国の崩壊、中国の工業化の本格化の開始のタイミングと符合する。
そして、野口氏は円安効果が日本の偽りの復活となり、余剰資金が世界を駆け巡って米国の住宅バブルへとつながったという。
しかし、世界はものづくりの根本を、水平分業へとシフトし、日本の製造業を凌駕する効率、革新技術対応をなしとげる。その中心は米国、中国・台湾企業、そして韓国企業。
日本は中国貿易で一息継ぐが、リーマン・ショックで急激な円高となり、自動車産業は大打撃を受ける。その時、日本の製造業は、政府からの補助金頼みの仕組みを作った。(ハイブリッド車購入補助金、挙句の果てに政府主導の組合賃上げ要求、更に働き方改革の政府主導という所まで来ている)
円安維持政策は、結果的に労働賃金の抑制に直結するので、労働者の賃金は下がるばかり。
今後の問題は、大きく2つ
A.人口の高齢化で問題になるのは「労働人口の減少」社会保障どうする
B.中国の台頭
2000年までは、安い工業製品で先進国を圧迫であったが、現在起こっていることは
AI技術の躍進で、これを使ってあれだけの人口の(全体主義国家)がまとめられつつある。
ちなみに、Computer Science分野で世界一は、中国の清華大学である。
日本の東大は91位である。
そして、AIに欠かせないBig Data、これは中国の人口を考えれば、圧倒的である。ますます中国優位の姿が浮かび上がってくる。これに対する、日本は対応できるのか?
ここで、清華大学がAIでNo.1になった理由が、「文化大革命により、アカデミアから年配の教授が追放された!」ことであると、野口氏は分析している。
そう、戦後の日本が立ち上がったのも、優秀な人たちが戦争で亡くなってしまったから、若い人が次々とチャレンジしてきたことが、その原因である。
新陳代謝とは、厳しくもあるが「時代の節目でやるべきこと」だと言える。
このあと、記者の質問が続きますが、時々???みたいなものが多くて、大新聞社の記者の質の低下が顕著にわかります。野口氏は、経済界のだらしなさ(政府主導の組合賃上げに対して、経営者が誰も異を唱えなかったこと)マスコミの政府の越権行為に対する批判がないこことをとても危惧しています。
さて、ここで、野口悠紀雄氏の最後の質問「日本はどうするの?」に対してはこのBlogですでに米国 vs 中国あるいは、シリコンバレー vs 中国の情報源を提示しました。改めて、それらを再考したいと思います。
【平成はなぜ失敗したのか】でも取り上げたが、野口氏の著作のリンクです↓
米国と中国はMIT Technology Reviewが今年の年頭号で比較、警鐘を鳴らしています。
そして、それよりいち早く、シリコンバレーのシリアルアントレプレナーの吉川さんたちは、中国の早い動きを察知し、日本とのコラボレーションを模索しています。情報はシリコンバレーから収集し、行動は日本(それも、中国に近い九州発)で考えています。
私は5/4の熊本での講演には、ここでの議論を踏まえた内容にしたいと思っています。yagihiroshi.netは、知識の手がかりだけでなく、行動のキッカケとしても使えるようにしたいと思うからです。
追加で、野口悠紀雄さんと宮台真司さんとの対話YouTubeもアップします。
エッセンス版ですが、わかりやすいです。
八木さん、野口さんの引き続きのコメントのありがとうございます。1時間半に及ぶyOUTUBE動画でしたが、すべて見させていただきました。
野口さんのおっしゃる通りと思います。特に、日本の既得権に依存するという体質といいますか、会社に所属することで、地位が上になったような気がしている・・・という部分は、感動しました。野口さんのおっしゃる通りです。そして、中国との競争、こんなことをやっていたのでは、勝てるはずがありません。
野口さんのおっしゃるようにどんなに大きな組織に属しているのか?ではなく、どれだけイノベーティブな発想ができ、多くの人の役に立てるのか?=ビジネスの成功。それが社会貢献であり、イノベーションだと思います。単純に会社に属していても、どれだけ、仕事を通じ、会社の人、お客様に貢献ができるのか?そういうふうに単純に考える姿勢が重要なのだと思います。利己ではなく、利他ですよね。
今回のYOUTUBEの最後に野口さんは、日本の雇用延長について、語っていらっしゃいますが、定年になって、それでも働き続けるというのが、老人介護のあってはならないという風におっしゃっていると思いました。雇用延長であっても生産を生み出すことが大切なのであり、雇用延長によって、会社の業務遂行にマイナスの影響があってはなりません。こういう状況では雇用延長した人にとっても、やりがいが見つけられず、つらいことだと思います。
年をとっても(というか年をとって多くの経験をしているから)多くの人に貢献できるアイデアを生み出すこと!これが重要で、それは、若い人を含めた社会全体の貢献につながるはずと思います。そういう社会を作ることが大切なのだと、野口さんは、おっしゃっていたんだなと思いました。それには、いつまでもマナビ続ける姿勢が必要なのだと思います。学ばないと新しい発想は生まれてこないですよね。。。
関さん、野口さんが指摘した、中国清華大学のComputer Science世界一は、文化大革命で上層部の教授陣が一掃されたので、若い人たちが必死で頑張った。
日本も戦後は、優秀な人達が戦争で亡くなってしまったため、若い人たちがのびのびと(必死で)活躍した。
一度、その仕組にしないと駄目かもね。
定年延長、老人温存は、社会の活性化とは逆行だよね。
私は、若い人たちの支援がまずは大事だと思っているので、そこから取り組みます。
勉強しない集団が滅びるのは、日本から出てみればすぐわかるんだけどね。