【ホモデウス その1】ユヴァル・ノア・ハラリ 人間の未来は、DATAとアルゴリズムとバイオテクノロジーに依存している。 人間至上主義による社会は崩壊せざるを得ない そしてホモデウスが神をも超える

サピエンス全史が、人間の過去を切り分けて、ホモ・サピエンスだけが認知革命というツールを社会に適用して、農業革命を起こし、そして科学革命を起こすことで、地球を支配してきた姿を描き出した。

未来の世界が、バイオである人間もデジタル化する

ホモ・デウスは、科学革命以降の産業革命から核兵器の開発までの「見える(物質)世界」を究極まで開発してきた。
その結果、20世紀前半までの戦争という形態での死者数は、20世紀後半では圧倒的な少数となり、その代わり、交通事故、栄養過多による病気、自殺による死者のほうが圧倒的に多い状況となっている。
(このあたりはFactfullnessの記述と重なり、我々はDATAをしっかり見直す必要がある)

20世紀にでてきた、ファッシズム、共産主義、自由主義もファシズムはWWIIで滅び、共産主義も1989年には崩壊した。
そこで、残った自由主義ではあるが、Global化が一気に進むと思いきや、Natonalismに引き回される現状である。

DATAとアルゴリズムだけが生き残る

一方、科学技術は、DATAとアルゴリズムで人間活動を捉え始め、現在では米国のGAFAや中国のBATHは、個人情報を詳細に掌握して、精度の高い購買予測ができるようにまでなっている。

それと同時に、バイオテクノロジー分野では、人間の遺伝子解析技術(Big Dataそのもの)が進み、現在では遺伝子編集で、欲しいと思う特性を持った人間が作れる技術が開発されてきている。(生命倫理による遺伝子編集技術の世界合意がないまま、中国ではすでに実地応用されている)

バイオテクノロジーで問題になるのは、従来のホモ・サピエンスが持ち得なかった能力や、特質(例えば不老不死)なども可能になり、今まで人間こそが生物の中の最高到達点という概念を根底から崩す。

神に意味はあるのか?とユダヤ教徒が問いかける

ハラリ氏はさらに踏み込み、宗教教義が未来に意味を持つか?=宗教は意味を持つのか?まで踏み込む。
ホモ・サピエンスの、認知能力の上に成り立つ宗教が、もはやこれからの時代の中心にはならず、テクノロジーで作られたホモ。デウスがそれに代わるというわけである。

そして、ホモ・デウスはBig DATAとアルゴリズムの組み合わせが一番進んだ場所「シリコンヴァレー」から生まれるという。

ホモ・デウスが未来を支配し、現状のホモ・サピエンスには隷属以外残されていないと、ハラリ氏は予言する。

ハラリ氏自身も、この予言は外れて欲しいと言ってはいるが、まだこたエアは見えない。

人生100年時代の学びの視点から

事実の羅列で畳み掛ける文章は説得力がある。
そして、文章はここまでかなと思うと、さらに続く。
知性のバイタリティーを感じさせる。
世界は、こんな議論を歓迎していることを考えながら、自分が今まで採用してきた、人間至上主義、自由主義の老後をどうやったら過ごせるのか考える年末となった。

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