【縄文の世界】佐野晃夫著 解明進む縄文文化 日本の歴史が世界の始点かも 夢多き著作 

縄文時代とは

日本の縄文時代とは、世界史では中石器時代~新石器時代に相当する。旧石器時代と縄文時代の違いは、土器の発明と弓矢の発明、更に定住化と村落の形成がある。それに伴い、竪穴式住居の普及と、貝塚の形成などが挙げられる。縄文時代の始まりの時期について一般的に約16千年前と考えられている。縄文時代の終わりの時期は、概ね約3千年前とされている。つまり典型的な稲作農業と、金属器の使用が始まった弥生文化の普及を特徴としている。しかし南北に長い日本列島だから、地域差が非常に大きい。紀元前数世紀から紀元前10世紀頃までで、多くの議論がある

縄文人渡来ルート

一つは北方ルートで、まだ樺太と北海道が陸続きの最終氷河期に、大型動物を追って渡来した集団で、主として北海道と東北方面に進出していた。この時期に、海洋民が誕生している。彼らは、丸木舟を改良し、ダブルカヌーに帆を掛けた船を作りで、島々を航海しては交易を行った。

南方ルートは、この台湾近辺で誕生した海洋民の一部が、琉球列島弧を伝って北上してきた。黒潮に乗って、主として先島諸島を経由し、薩摩、土佐、紀州あたりの太平洋岸に上陸したと推測される。台湾から逆に南下し、ポリネシアを拠点に遠洋航海で活躍したラピタ人と、祖を同じくする海洋民という説もある。つまり中国南部が起源とされるハプログループBは、ハワイを含む太平洋の島々から南米大陸まで、全世界に分布を拡げた開拓精神あふれる海洋民を起源とし、日本人の約13%にハプログループBが存在している

中・韓との民族的つながりは無い

現代の各国の人たちと、縄文人が遺伝的にどれぐらい近いか、遠いかについても比較された。その結果、縄文人と一番近いのは現代の日本人で、他で比較的近いのは、極東ロシアや台湾の少数民族であった。中国など大陸の多くの人たちとは、かなり違いが大きいと分かってきた。遺伝的な違いが大きいということは、かなり古い時代に縄文人の祖先が、大陸の集団と分かれ、日本列島に渡ってきた

人生100年大人の学び

縄文を調べてゆくうちに、最近の日本と中・韓の価値観、意識のズレの原因が民族の思想体系からきていることに気づかされた。すなわち、権力者を打ち倒してのし上がってゆく国(中国・韓国)と、家族的な「和」で成り立ってきた日本の差であると、確信できた。古事記研究、縄文研究、楽しみである。

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