1.和を以て貴しと為し諍(いさか)うことなきを宗とせよ
2.詔を承りては必ず謹(つつし)め
3.群卿百僚、禮を以て本とせよ
4.餐(あじわいのむさぼり)を絶ち欲を棄て訴訟を明らかに辯(さだ)めよ
5.悪を懲らし、善を勧むるは之古よりの良典(さだめ)なり
6.人には各々役目あり掌るところはよろしく濫(みだれ)ざるべし
7.群卿(つかさたち)百僚早く朝(まい)りて晏(おそ)く退れ
8.信(まこと)は是れ義(けじめ)の本なり
9.忿(心の怒り)を断ち外の怒りを棄て、人との違うことを怒らざれ
10.功と過を明らかに察(みわ)けて賞と罰を必(たしかに)當(あて)よ
11.國司国造は百姓(おおみたから)より貢を 斂(おさめとる)こと勿れ
12.司諸官を担う者、同じく通じて職掌(しごとのなかみ)を知れ
13.群臣(つかさたち)百僚嫉妬有(いだ)くこと無かれ
14.私に背き公に向(したが)うは是れ臣の道なり
15.民を使うに時を以てするは之れ古よりの良典(よきならい)なり
16.大事は之れ独りにては断(さだめ)ざれ必ず衆と與に宜しく論ずべし
17.篤く三法を敬え三法とは儒・釋・神なり
人生100年大人の学び
聖徳太子の作成された憲法17条が、明治の帝国憲法の根幹をなす。聖徳太子時代の、仏教、儒教、神道のいずれにも固執しない憲法精神は、当時の権力争いから考えると、大変な英断であったと思う。おかげで我々は、バランスの取れた文化吸収を行い、民度の高い国を作ることができた。未来を考える上でも、聖徳太子憲法を学ぶことは意味がある。