たった2年の首相在任
田中角栄は、1972年に首相となり、1974年にはロッキード事件がきっかけで退任(たった2年間の任期)
1974年の総選挙に使った金が500-1000億円
それでも自民党は大敗するも、しかし自民党総裁は再選される。
目白の闇将軍と言われて、金による政・官巻き込みで、自民党支配を続ける。
「YouTube大学」田中角栄編
今回は、中田敦彦の「YouTube大学」田中角栄編に触発されて、石原慎太郎の「天才」と立花隆の「田中角栄研究」を読んだ。
山本七平の田中角栄に関する著作「ご時世の研究」は以前にこのブログ【田中角栄の時代】2016年刊 旧題【御時世の研究】でも取り上げた。
立花隆の「田中角栄研究」
これらをまとめて読んでみて、思ったことは3つ。
1.金権政治という政・官の支配に巨額の金をつぎ込んだビジネスモデルで首相の座についた田中角栄は、裏には金づくりモデルを持っていた。
2.金で国内勢力は抑えることができたが、対米政策の読み誤りでロッキード裁判を起こされ政権から外される。
3.山本七平、石原慎太郎の著作が、読み物的なのに対し、立花隆の「田中角栄研究」は、事実検証型のドキュメンタリー、しかも当時「文藝春秋」を通じたやり取りが行われていた、ジャーナリズムの真骨頂が見られる。
私にとっての、立花隆の「田中角栄研究」は昭和史の暗闇部分をさらけ出してくれた。
たとえば、当時のフィクサーたちは最初は、田中角栄も含め闇市場の物資を獲得した、小佐野賢治、児玉誉士夫もそれに該当する。
しかも、データで追いかけてゆくと、戦前の日本の諜報機関が、満州でどのような活動をしていたか、ロジカルかつ、データで示している。特に関東軍が使っていた予算の大部分が、アヘンや金銀、ダイヤモンドであることなど、定量化データと米国諜報網への旧満州諜報機関の関与など、読ませる!
当時、文藝春秋社を中心として、取材プロジェクトチームを組んで、徹底的にデータにあたって証拠を掴んでいる(田中角栄が利用した会社が実在するかどうか、登記謄本だけでなく、現地での所在の有無も確認している)
歴史は繰り返す、日本人の体質
最終的には、ロッキード事件の結論は、田中角栄の死後「有罪」が確定している。
立花隆は、まとめの言葉として「日本の歴史は上部構造のドラスティックな変化に対して、日本人が異常なほどの適応能力を発揮する」しかし「その適応の早さは、十分に過去を葬りさらないことに依存する」そのため「その咎めが出てくる繰り返しの歴史である」と指弾している。
ジャーナリズムが元気だった時代
ジャーナリズムが、元気のあった時代、1970年代後半の著作である。
この元気さが、世界にどんどん進出していった1980年代につながっているのかと納得する。
私が、会社に入る一年前の本であった。
今でも、読み返してみる価値のある著作である。
中田敦彦のYouTube大学も田中角栄を扱っているので、ご参考までに前編・後編リンクします。わかりやすいので、楽しめるYouTubeである。
人生100年時代の大人の学びの視点
今回の読書は、人生100年時代の大人の学びとして、面白いパターンだった。
何気に観た、YouTubeから、関連図書を見つけ出し、読んでみると発見の連続。今までの曖昧な部分もクリアになるし、ジャーナリズムの根本お重要性も把握できた。
学びというのは、歳を重ねる事により、質が変化することが実感できた。
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