【WWII:China’s Forgotten War】Amazon Prime Video Xive TV 2015年 1937年からの日中戦争ドキュメンタリー

WWII終戦後70年の2015年に、Oxford大学の中国近代史のRana Mitter教授が、日中戦争生き残りの人の声をまとめ上げたドキュメンタリー。冒頭に出てくるのはPolandのユダヤ人強制収容所。そしてWWIIは1939年からだという。日本では(多分)放映されない内容であろう。しかし、世界はこのような内容について公開しているし、知っているということを我々は認識すべき。人生100年時代の学びは、事実を丁寧に拾い上げて次の行動につなぐことを大きな目的としている。特に、若い人たちには戦前戦中の記録はどんどん減ってゆく中、残されたアーカイブを取り上げてゆくことも重要な役割だと思っている。

日中戦争は1937年からだから、WWIIよりも2年前に開始されている。南京ではすでに日本軍による無差別の虐殺は始まっているという証言を生き残りの人たちから聞いて回る。そして、当時の東京日日新聞の100人切りの競い合いの記事まで引用される。(刀剣専門家は、日本刀での人斬りは数名で刃がこぼれてそれ以上はできないと証言している)

1937年7月北京では市内につながるMarco Polo Bridgeから日本兵が、行方不明の兵士を探すという名目で攻撃をかけてきた。そして、殺戮が行われ、川に死体が多数流れてきたと証言されている。

そして、上海に矛先が向けられる。ここは、無差別爆撃の対象となる。94歳の当時少年兵の証言も含まれている。日本は点を拡大してゆく。中国は重慶へ首都を移す。ソ連からの航空機貸与も実戦では効果がなかった。そして、欧州ではナチのPoland侵攻からWWIIが開始された。
さらに1941年12月に日本軍による真珠湾攻撃で、米国の参戦まで中国は単独で日本と戦っていた。

中国・ビルマラインは日本軍の南方進出の補給路の要であったが米国は優秀なパイロットと補給物資を中国軍に提供する。
1942年には、中国は大飢饉に見舞われ300万人が餓死する。木の葉、皮を食べて生き延びた人もいた。蒋介石はあと1年は持たないと日記に書いた。1943年蒋介石の奥さんの宋美齢は米国内を回り、米議会で中国への支援を訴え、米国はそれに応えた。そして、1943年の対日抗戦のためのカイロ会議では、ルーズベルト、チャーチルと蒋介石が一同に介した。その結果、1944年ビルマへの日本軍の補給路を断つことに成功する。

日本は1944年、作戦1号で50万人の兵を投入し、中国領の確保を狙う作戦に出る。毛沢東率いる共産党軍も、日本軍の北方をゲリラ撹乱する。そして、原爆投下で日本は降伏。日本の降伏文書は9月9日に署名され、日中戦争は終結となる。
そして、中国は多大な犠牲を払ったが、国連の常任理事国の地位を獲得しところで締めくくられる。

気の重くなる映像ではあるが、一つの現実として認識することは重要だと思う。
日本が「記録を残さない」国であることは戦前から明確になっているが、世界の国々は「アーカイブを残すこと」を優先している。アーカイブがあれば学ぶこともプロパガンダに使うこともできる。我々はWWIIについては入手できるアーカイブ学ぶことが重要だと考える。それは、次世代に必要だから。

Amazon Prime Videoは見るべきアーカイブ満載である。

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