【帝王学「倫理」17「櫻花」】杉浦重剛著 「倫理」より[YouTube]日本人は桜の花が好きです 美しさ、雲のように広がる咲き方 そして、見事な散り方 南朝の吉野は山桜の名所で 桜のような純粋で潔い武士を輩出しました 外国には桜はありませんが、これを見たらだれでも 大和心がわかるでしょう

本居宣長の歌があります 敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う山櫻ばな 日本人の精神を譬えると春の曙に朝日を受けて爛漫と咲き出す 桜の花ということを歌っています 桜は日本の代表的な花で外国にはありません たとえあったとしても日本のように美しくはありません ですから、外国人は桜の花の美しさを知りません

咲いている桜の花を見ると ちょうど雲のように高く咲いて清々しいのは 私たちの国民性である純潔で淡白を表しています 春の光と調和して、温かみがある君子の気風もありますし 花も葉も生き生きしていますし 国民性の進取の気風も伺えます とりわけ、花が終わる時には 全く未練がなく、雪のように潔く散ってゆきます これは他の花には見られません これは、国の重大事が発生すると 自分の命を顧みずに行動するのと同じです

日本人が桜の花を 愛する心は単にその美しさだけでなく国民性と一致して 日本人を表しているところを愛しているのです 藤田東湖の正気歌に 天地の正しい気風はまじりけなく日本に集まった 富士山が高くそびえ水は蕩々と広い平野を流れる そして桜が咲くと比べるものがないほど美しい ですから、昔から日本人は桜を愛し花の王様にしました

後醍醐天皇の時には 皇居を吉野に開かれましたので 桜に関する実話がたくさんあります 吉野は昔から桜で有名なところですから 吉野で活躍した武将 楠、新田、児島、名和の 勤王の美談は考え方によっては 日本人の本当の心を表す「櫻花」(おうか)の 歴史でもあります 櫻雲記(おううんき)というのもあって 吉野朝の歴史が書かれています ですから、吉野に行った人は 桜を見て必ず南朝を思い出します

山陽の作と言われる今様があります 「花から明るくなる吉野を見渡すと 支那人も韓国人も、大和心になります」 賀茂真淵の歌では 「吉野の山の山桜の花を支那の人たちに見せたいなあ〜」 とあります
外国には桜の花がないので、牡丹や蓮や薔薇を好みますが 彼らに吉野の花の盛りを見せたら 本当に大和心になるでしょう

春になりますと我が国は美しい雲のように 桜の花に覆われます 大和民族はこの花のような特質を 発揮しなければいけません これが「櫻花」に深く感ずるところであります 「花は桜木、人は武士」を発展させて 「花は桜、人は日本人」として 世界中に比類なき「櫻花」の美しさを 思う存分発揮しましょう

人生100年大人の学び

杉浦重剛氏の「倫理」は引用する事例、比較する対象などよく考えられている。桜の美しさだけでなく咲き方、散り方まで含めて大和心と相通じるものがあるという。桜が日本の国花であることの理由であるし、日本人が誇りを持って世界に紹介できる財産である。

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