【5G革命の真実】 深田萌絵著 2019年刊 中国Huaweiが中国政府と結託して中国発「世界監視システム」構築を狙っている

中国政府の主導で5Gの世界で先手をとったHuawei   

Huaweiは米国政府が開発した通信機器用のバックドア技術を転用している。
米国が、そのデータの利用について中国を責めるが、米国自身が国民のデータを監視しようとした意図は、中国政府と変わらない。

Huaweiが5Gで覇権を握ることは、諜報システムのインフラを中国に支配されることを意味する。これは単なる技術覇権の争いではなく「諜報戦争」なのである。

GAFAは反トランプ、親中国

世界中から合法的に集めたビッグデータの売り先は大企業だけでなく政府でもあり、中国がその最大顧客であることは共通している。

グーグルは「ドラゴンフライ」という中国政府向けの検索エンジンを開発している。政府に情報を提供できる仕組み。そして、検索優先順位も、変更可能にする。

その結果、Dataの入り口(5G基地局)から出口(端末画面)までを、全て中国政府管理下つなぐ戦略。

青幇(チンパン)が支配する半導体産業

ホンハイ創業者のテリー・ゴウの最初の妻・林淑如は馬英九の母・秦厚修とは工作員として師弟関係にあった。上海租界地時代は武器商人、情報工作、売春・麻薬売買などを稼業としていた青幇は、売春宿に出入りする軍人から吸い上げた情報を国民党、共産党、日本軍、米軍などに売り、米CIAや各国の諜報機関と連携して偽情報まで流す工作活動にも従事していた。戦後、青幇は共産党と組もうとしたが、情報横流しがバレて、国民党と共に台湾へ渡る。戦後、蔣介石は息子の蔣経国に頼らざるを得なかったが、蔣経国は、蔣介石が第一妻・孟福梅と疎遠にしていたころにできた子供で、血縁関係を疑い、一時は蔣介石を暗殺しようとしていたとも言われている。

台湾に本社を置くホンハイの創業者であるテリー・ゴウ(郭台銘)は、ファーウェイのチップを製造するために創業されたTSMC社の創業者モリス・チャンとは親戚である。テリー・ゴウは媚中派の元台湾総統、馬英九とも親密な関係にあり、海外から技術を盗んで解放軍に持ち込んでいる。江沢民の元政商で、米国に亡命した郭文貴はテリー・ゴウを「世界最大の技術泥棒」と呼んでいる。

『超限戦』という、あらゆる分野での戦い

限戦物理的な軍事行動にとどまらず、外交戦、国家テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦など、あらゆる手段、場所を戦場とする新たな戦争の概念。
そして、暗号技術に強い国というのは基本的に諜報機関も強い。暗号機「エニグマ」を開発したのはドイツ、それを破ったのはイギリスだ。今も暗号技術に強いのは、ロシア、イスラエル、アメリカ、中国で、ロシアや中国の暗号技術者は暗号に潜む「バックドア」の解析に力を入れている。

中国はIT産業のキーワードを巧みに利用している

IT業界のキーワードはことごとく中国のプロパガンダだ。「ファブレス(工場を所有せずに製造活動を行なう業態)」は裏を返せば中国製造業の強化。「フリー(サービスを無償提供する広告モデル)」というビジネスモデルはIT業界の中国依存を強めることにほかならない。無償サービス(フリー)を受ける人々の蓄積データは膨大な量となり、データセンターコスト増を引き起こす。そのコストを下げるために、高い米国製や日本製ではなく、台湾製や中国製サーバーが爆発的に売れ、IT業界の中国依存を強める結果となったのである。こうして、「IoT」と「5G」とですべてのデバイスからデータを吸い上げ、中国の監視網は完全なものとなる。若手IT起業家のあいだで流行しているキーワード「共有資産経済」に至っては、社会主義思想そのものだ。

著者のベンチャー宣言

技術は世界を変える。中国型5G通信が世界に浸透していけば、私たちは統制された情報にしかアクセスできない人工世界へと導かれていく。すべてのモノによって、すべてが監視され、私たちのプライバシーは丸裸となり、それが商業的、政治的な目的で利用されていく。技術革命で起こる政治的変化に対して、私たちは新しい技術で立ち向かうしかない。弱者である自分が強者に立ち向かうことを恐れる必要はない。ゲームは「弱い」から面白いのであり、ベンチャーは「小さい」からこそ腕の見せどころなのだ。

Trumpの対中国貿易戦争は、細かくみてゆかないと「争点がわからない」
私は、昨年は米中AI戦争と捉えたが、まだまだ掘り下げが浅かった。
テクノロジーによる、国家監視体制の構築が最大の争点ということが深田萌絵氏の著作から浮かび上がる。

人生100年時代大人の学びでは、ハイテク分野が私たちの世界に与える影響や、生活の変化なども注目してゆく。しかし、自分の思い込みだけで考えていると、なかなか枠から出られない。今回、深田氏の3冊の本を読んで、日本の現場での厳しい状況というのがよく理解できた。

あとがき にあるように、技術に対する立場は
開発は技術者の遊び心
金は経済界の動力
権力は独裁者の夢

今や、テクノロジーは走り出していることが実感できる。

[追加]米国で発行されている「大紀元」英語名「TheEpochTimes」
ニューヨークに本社を置く大紀元(エポック・メディア・グループ)によるニュースサイト。世界の中国人向けに、中国共産党が隠蔽する真実を報道している。

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