米国の20世紀初頭にAT&Tが創設した「Bell Lab」がある。創造的発見が多く、ここから多数のノーベル賞が排出した。トランジスタの発明者のShockleyや宇宙からのWhite Noiseの発見などがある。そのためのルールとしては天才の活躍できる余地を残しておくこと。創造性を発揮する機会として、研究者同士の(強制的な)ふれあい環境をセットすること。ビルの間の連絡橋の中間にちょっと話ができるゆとりスペースを設置するとかが挙げられている。
Topが、研究所の創造性を「確信する」ことも大事であるし、新しいことをどんどん取り入れることも重要である。この派生形として、シリコンバレーのハイテク企業ではGoogleの食堂方式、Appleの2000人以上入る大食堂方式など脈々と引き継がれている。日本企業の各種制約から「縮小化」「予算削減」される研究所とは違う発想である。
そうは言うものの、Bell研で発見された、トランジスタはAT&T内では消化できず、外へ出す。その事業がAT&Tの事業規模を遥かに超え、AT&Tは事業分割へと追い込まれてゆくのだが。これも、一つの流れとして読み取ることができる。
この本は、有用な内容に満ちているが、私の知るところ日本語訳はない。
ここでも、日本語が情報獲得に劣勢になっていることがわかる。
Innovationに取り組む人には、必修の書籍である。