【帝国の参謀】アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略 2015年刊 日経BP

この本の英文タイトルは”The Last Worrior” 「最後の軍人」である。アンドリュー・マーシャルは1921年生まれ、2015年に公職を退く(94歳である!)
健康上の理由で兵役は免除され、1949年からLand研究所で「国家安全保障と国防問題」の専門家としてのキャリアを積む。
アンドリューマーシャルは、「事実をひたすら追いかけることで相手の状況を正確に知る」という仕事を1949−2015まで66年間勤め上げた人。
1979年に国防総省のネットアセスメント(総合戦略評価)室長(ONA)となり、国防長官をはじめとする安全保障政策に関わるものへの提言を行ってきた。
この本は、彼の自伝ではなく、米国の「安全保障」が時代と共に変化してきている背景に、アンドリュー・マーシャルが深く関わっていることを浮き彫りにする。その戦略性は、冷戦集結に大きく貢献する。

すなわち、米ソ冷戦の終末は、ソ連が抑止力のための投資で、経済に破綻をきたし崩壊することで実現する。その例は、米国の空軍力の強化は、ソ連の防空システムの強化投資につながり、GNPの10%以上になるとアンドリューマーシャルは確信し経済的に耐えきれないことを予見、そのシナリオが見事に証明された。また、精密照準爆撃(誘導ミサイル、ドローン等)が軍事の革命的な変革であることも「提言」していた

米国の「知の奥深さ」が随所にわかる:軍指導者、政治家、多くはわからないことはわからないということから、はじめている状況も、納得できる。
退任前彼が米国政府にここ数十年の課題は「中国の超大国としての台頭」であると指摘している。
そして、日本へは東京財団の渡辺恒雄氏に対し2014年に「米国の関与政策が中国をいずれ民主国家へと変貌する願望があるが、実際はどうなるかわからない」と答えている。

政権が変わっても、アンドリュー・マーシャルは常に考える材料を整えることで、日々学び続けて、常に政府中枢の信頼を獲得していた。米国の政府機関の「能力活用」「専門家への尊敬」を感じると共に、人材を活用するのに「年齢ではなく能力」という基本的な考え方は日本と大きく異なる。

人生100年時代の学びの活用例として、お勧めです。

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