【CHINA 2049】 マイケル・ピルズベリー著2015年刊  秘密裏に遂行される「世界制覇100年戦略」 中国が「戦国策」や「孫子」などを駆使して世界の覇権を目指すためにアメリカに仕掛けた罠の数々 ここまでやるかの連続 これからの生き残りに必読の書

序章 希望的観測

中国人現代美術家、蔡國強が2012年にスミソニアンで、クリントン国務長官から、芸術分野で最高の栄誉を受けたところから、この書ははじまる。

クリスマスまで1カ月を切ったこの日に、マイケル・ピルズベリー氏はなぜ、アメリカの首都の真ん中で中国人アーティストがキリスト教のシンボルを吹き飛ばすのを見ているのだろう、と考えた人がゲストのなかにいたかどうかは定かではない。わたし自身、爆発の瞬間に、その破壊行為を正しいことだと思ったかどうかは覚えていないが、他の観客と一緒に拍手したのは確かだ。政治的な論争が起きることを予見したのだと思うが、博物館のスポークスマンはワシントン・ポスト紙に「作品自体は必ずしもクリスマスに因むものではない」と語った。実際、博物館は蔡のパフォーマンスをただ「花火」と呼んだ。蔡が自らのウェブサイトで「黒いクリスマスツリー」と呼んだのに比べると、曖昧な呼び方だった。クリントン国務長官の側近がマスコミの一団に見えるように金メダルを掲げると、蔡は控えめに微笑んだ。蔡が受賞したのは、アメリカ国務院芸術勲章だ。芸術分野で活躍した個人や団体にアメリカ政府が贈る最高栄誉の賞で、このようなパフォーマンスに贈られるのは初めてである。メダルはクリントン長官から、アメリカの納税者の厚情による25万ドルの賞金とともに蔡に授与された。

アメリカが、中国の美術家を最高の栄誉で迎えたと言うことである。
これが、中国が仕組んだ米国での、協賛者集めの一環であると、マイケル・ピルズベリー氏は思い知らされる。すなわち、このような中国を助けたいという願望と、善意に満ちた犠牲者という中国の自己イメージを盲信する傾向が、アメリカの対中政策の軸となり、中国分析の専門家による大統領などへの提言にも影響を与えたのである。

中国も民主化すると言う幻想に騙された著者と大統領たち

中国は我々と同じ考えを持っていると言う思想が、米中国交を開始したニクソン時代からオバマまで連綿と続く。すなわち、中国を助けたいという願望と、善意に満ちた犠牲者という中国の自己イメージを盲信する傾向が、アメリカの対中政策の軸となり、中国分析の専門家による大統領などへの提言にも影響を与えた。

間違っていた前提1:つながりを持てば、完全な協力がもたらせる
間違っていた前提2:中国は民主化への道を歩んでいる
間違っていた前提3:はかない花、中国
間違っていた前提4:中国はアメリカのようになることを望み、実際、その道を歩んでいる
間違っていた前提5:中国のタカ派は弱い

第1章 中国の夢 100年マラソン

1949年権力を掌握して以来、共産党が世界のヒエラルキーのトップに立つ。2049年への実現に向けて、習近平は政治公約に入れた。これを100年マラソンと呼ぶ。習主席が「強中国夢」と言ったのは、たまたまでもなければ、不注意からでもなかった。人民解放軍の退役軍人で、中央軍事委員会弁公庁秘書だった習は、中国軍の「超タカ派」と密接に結びついている。習主席の演説を聴いた何人かの中国人から聞いてわかったことだが、中国の大学で教育を受けた人や軍人は、習主席の「強中国夢」という発言を聞いてすぐ、その意味を理解したそうだ。「強中国夢」は、かつて西洋では存在が知られていなかった、ある本の内容を暗に示唆している。その本、『中国の夢』は、2010年に中国で出版された。著者の劉明福は、人民解放軍の大佐で、人民解放軍の将官を育てる人民解放軍国防大学の指導的学者でもあった。わたしが「100年マラソン」という記述を初めて見たのも、その本においてだった。

1960年代、ソ連は中国が世界支配の野望を持っていることを恐れていた。

中国人はかつてソ連を利用したように、アメリカを利用しようとしていた。米中以外の第三のライバル国に協力して対抗すると約束しておきながら、自分が前に進むための道具にする。これが冷戦中に中国が進めたマラソンのやり方だった。ソ連のアメリカに対するライバル意識を利用して支援を引き出し、それがうまくいかなくなると今度は、アメリカに対ソ協力を申し出て味方につけた。これもまた兵法の戦略の一つだ。「借刀殺人」、つまり、他人の力を利用して、敵を倒すのである。

第2章 争う国々

中国のタカ派はその長く複雑な歴史の中で、道に迷ったりはしない。むしろ彼らは歴史上の成功と失敗から、マラソンに勝つために利用できる具体的な教訓を得ている。

こうして数十年にわたって、中国ならではの戦略思考を無視してきたことが、今、深刻な結果をもたらそうとしている。彼らの戦略を知らなかったために、今にして思えば、途方もなく無分別な譲歩を中国に対して重ねてきた。アメリカの無知、広くは西側の無知は、少なくとも二つの要因がもたらしたものだ。第一の要因は、17世紀から現代にいたるまで、中国を訪れ研究した学者、宣教師、調査員たちは、捏造された中国の歴史を教え込まれてきたということだ。中国の資料は、中国文化の平和主義的な一面である儒教を強調し、血なまぐさい戦国時代については、ほとんどかまったく無視している。加えて、毛沢東が指揮した「四旧打破、四新確立」運動では、文化大革命を進めるために、中国古来の習慣、文化、理念を破壊し、それらの記憶を消し去っていったが、それを見ていた西側の多くの人は、中国は共産党以前の過去と決別したと誤解した。

実際は、中国の共産党指導者は、歴史から学び取ったことを、将来の戦略に組み込んでいるのである。戦国策は重要な書物で、英語には訳されていない。

現在の9つの要素は次のとおり

① 敵の自己満足を引き出して、警戒態勢を取らせない
② 敵の助言者をうまく利用する
③ 勝利を手にするまで、数十年、あるいはそれ以上、忍耐する
④ 戦略的目的のために敵の考えや技術を盗む
⑤ 長期的な競争に勝つ上で、軍事力は決定的要因ではない
⑥ 覇権国はその支配的な地位を維持するためなら、極端で無謀な行動さえ取りかねない
⑦ 勢(エネルギーの流れ)を見失わない
⑧ 自国とライバルの相対的な力を測る尺度を確立し、利用する
⑨ 常に警戒し、他国に包囲されたり、騙されたりしないようにする

この項目を中国タカ派が設定した。歴代の大統領はタカ派は勢力が小さく、中国の主流の考えではないと判断ミスしていた

戦略の中心は欺き

中国の戦略の要になっているのが「欺き」であることを知らずに、このゲームをしているところを思い浮かべれば、アメリカが中国にどのように弄ばれているかが少しはわかるだろう。アメリカ人は、このゲームのルールをまったく知らない。勢についても、大半の人は聞いたことさえない。そしてこのゲームに負けつつあることを知らない。何しろこのゲームが始まったことすら知らない。責められるべきは、中国の巧妙な戦略と、わたしや同職が長く抱いてきた幻想である

第3章 米中アプローチしたのは中国

1971年当時のニクソン大統領と安全保障を担当する補佐官ヘンリーキッシンジャーが中国との関係を樹立した。しかしこれを仕掛けたのは中国政府からキッシンジャーへの誘いだった。

1972年 ニクソンと対面した毛沢東は、中国を、支援と保護を渇望する向で無力な嘆願者のように見せかけた。それはかつて、ソ連に見せた態度と同じであった。

キッシンジャーの勘違い

キッシンジャーは毛沢東の計略にまんまとはまり、ニクソンに「中国は英国に次いで、世界観がアメリカに近い国かもしれない」と告げた

毛沢東の死後、鄧小平が登場して、米国からは教えを乞うと言う形で技術情報を盗み出すことを実行した。農業、工業、科学技術、国防が重点であった。米国はフォード大統領、カーター大統領、レーガン大統領と続々と鄧小平希望に合わせて、どんどん無償で提供した。

第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーンという亡命者情報源

スパイ情報もいろいろある。亡命者としてアメリカに入国した中国人の中には本当に中国のウラ情報を知る人間とでっち上げのスパイがいる。しかし、米国政府は「彼らの提供してくれる情報が、思い込みと外れると誤った選択をしてしまう」

天安門事件の背景の情報は間違ってしまった。アメリカは鄧小平を真の改革者だと思い込んでいたのである。

そして、歴史的に重要なのは、天安門事件以来中国は過去の書籍の発売禁止や、出版社の選別を行った。

鄧小平の後任はタカ派の江沢民になり、改革派の趙紫陽は自宅軟禁された。しかしアメリカ政府はそれでも中国が民主化の途上にあると考えた。

歴史の書き換え

中国は1949年の成立以来、全ての進歩は農民の反乱に由来すると歴史を書き換えた。

クリントン大統領の時代には、中国に上をしてダライ・ラマとの面会を中止したり、中国に譲歩した。

第5章 アメリカと言う巨大な悪魔作り

中国のタカ派は国内で着々とアメリカというのがいかに悪い国であるかと言うイメージ作りに励んだ。しかしアメリカの指導者との会談ではおくびにも出さなかった。

中国の巨大な博物館である中国国家博物館には、義和団事件など中国侵略の歴史が描かれている。また天安門事件は一切展示がない。第二次大戦中日本による満州侵攻中国本土攻撃もアメリカの戦略の一部だと主張している。

第6章 中国のメッセージポリス

中国のマラソン戦略は他の国々、特にアメリカの行為に大いに依存している。その行為とは中国への莫大な投資、中国の輸出の容認、政府あるいは公の組織による技術の投与やWTO規制の違反に対する寛大な対応、そして中国の人権侵害について見て見ぬふりをすることである。西欧諸国はそのような情報を見せるのは、その指導者たちが、中国は全体としてみれば、自由市場、生産的な国際協力、政治の自由化と言う正しい方向へ進んでいると信じていたからだ。

文未未は中国政府が外国の政府、政策立案者、学者、記者、財界の指導者、アナリストの好意をつかむために、全力を尽くして現実を歪曲していると言うことを知っている。それは実に100年マラソンの重要な要素なのだ。彼はそれを暴露したが故に投獄された。

中国が軍事的に脆弱だと西側の高官たちはずっと騙し続けられた。それが全くの間違いだと言うのは超限戦と言う本が出版されてからである。

超限戦が教科書

以前のブログで取り上げた著作「超限戦」はアメリカの脆弱性を率直に論じ、中国の軍人社会で大きな話題を呼んだ。超限戦は直接的軍事行動を取らなくてもこの戦争(国際法、国際機関、国際法廷を利用してアメリカの活動や政治選択の自由を制限すること)、経済戦争、生物・化学戦争、サイバー攻撃、テロリズムによって、アメリカのような強国を倒すことができる。

これは人民解放軍の2人の大佐による著作である。西洋諸国に広く知られるようになると、中国政府は直ちに書店から全冊を回収した。この時アメリカ政府の主要な人たちは、大佐らの思想は中国では「非主流」であり無視して良いと考えていた。

中国政府の大胆なPRと世論操作は政府の最高の指導者が統括

呉(夫差)と越(勾践)の戦いが、中国の駆け引きのやり方の一つでもある。

夫差に、負けた勾践を殺すことを進言した伍子胥は意見を退けられ、勾践は夫差の奴隷となる。勾践は夫差の取り巻きに伍子胥の夫差への裏切り陰謀情報を流し、夫差は騙されて、伍子胥を自害させる。勾践は夫差から自由になると、呉に実らぬ種子を送り、飢饉で弱ったところで、呉を討ち天下を取る。

中国の教訓は次のとおりである。もし全世界の試合を狙うのであれば、野心を表に出さない方が良い。偉大な存在になると言う野望を見せてはならない。あなたが大きな計画を抱いているように見えたら、その計画は露見するだろう。

中国の指導者は外国の中国に対する見方を操るために、膨大な時間とエネルギーを費やして、国内に流れるメッセージを管理している。その作戦には120億ドルの年間予算が当てられ党の常務委員会によって運営されていた。メンバーは毎週、北京のミスで集まり、多くの時間を費やして宣伝システムに流すメッセージを作成した。そのシステムには中国の新聞、テレビ番組、海外で出版された雑誌、それに中国のインターネットが含まれた。その組織には1000人以上のスタッフが働いている「統一戦線工作部」と言われているところがある。

このプログラムの成果として、中国とアメリカの貿易の正常化、中国の世界貿易機関WTOへの正式加盟が挙げられる。2000年米議会のWTO承認の投票に大きな影響与え中国経済を大い後押した。

この件に関しての中国の戦略は、国内でも国外でも、中国に社会主義経済を放棄するつもりは全くないと言う情報打ち消し、中国のハト派の改革論者は自由市場への移行を望んでおりそれが成功しそうだとほのめかすことであった。

次の成功例はダライ・ラマのチケット帰還をめぐる交渉で、ビル・クリントン大統領が圧力をかけようとするのを中国が回避したことだ。

中国は米国の議員に対しても直接的に資金支援をしたり介入をしている。

中国支援者はリストアップされており、中国に招待されると高官から中国は米国の圧力をかけられるとひとたまりもないと言いくるめられる。それ故中国は脅威では無い中国は平和的に成長し大国になるのアメリカが支援すべきであるということを吹き込まれる。

大学、シンクタンク、孔子学院から資金

中国の企業はアメリカのシンクタンクや大学に多額の寄付をし、中国政府の見解を支持する中国政策研究を資金面で支えるようになった。それは共産党政治局が糸を引く巧みな情報操作の一環であり、マラソンの勝利に大きく影響するはずだ。

2004年から孔子学院を世界中に展開し始める。
Topは劉延東(女性で初めて政治局メンバーになった人)

孔子学院はその国の人々に中国語と文化を学ぶ場を提供しており、しばしば地元の大学と協力している。中国は孔子を文化理解の案内人とみなす平和主義の幸福な国だ、と言うイメージを外国人に植え付けようとしている。学院では孫武の「孫子」を非暴力を説く物語として再解釈することが奨励されている。
注) 私の知り合いからの情報では、孔子学院に勤務する中国人は全て必要に応じた諜報活動するように義務づけられていると言う。私はItalyのSienaで孔子学院を見てびっくりしたことがある

孔子学院はすでに世界樹350拠点を持つと言う。プロパガンダの道具で大学と言う枠組みを利用したPR活動と批判する大学関係者もいる。

Stanford大学の場合、講義の中で触れてはならない項目というのが規定されダライ・ラマ関係が含まれる。

中国が入国拒否する人が真実を知る

中国を研究する学者たちを兼ねてから、中国に関して最も正しいことを述べているのは、中国への入国ビザ発行を拒まれている学者、記者、著者だと知っていた。中国はトヨタアップルの際など中国で創業する多国籍企業に対して、Eメールなどをグレートファイヤーウォールを通して送受信することを指示した。またナスダックなども中国拠点を開設するに中国の規制に従うことを要求されそれを飲んだ。

第7章  殺手鐗(シャショウジェイン)

殺手鐗(シャ ショウ ジィエン)という相手に必ず勝つ武器を使え!(超限戦の思想で言えば、戦争項目の拡大)米国の海軍大学での戦闘シュミレーションで「既存兵器」での戦いでは、米国は中国に常に勝つ。しかし、殺手鐗の考え方を入れる(超限戦の思想で言えば、戦争項目の拡大)を行うと中国に負ける。

すなわち、米国がまだ展開していない、宇宙兵器、電磁パルス兵器、コンピューターウイルス兵器なども含まれる。「戦場はあなたのすぐ隣にあり、敵はあなたが使うネットワーク上に入る。火薬の匂いも血の匂いもしないが、明らかに戦争は、兵士、軍隊、軍事的衝突をチョイスして去り、次第に政治、科学、そして金融の問題になりつつある」

中国はアメリカと競うために軍備を増強するどころか長距離爆弾、陸上部隊、核を搭載したICBMといった従来型の戦略投射手段への投資をほとんどが全く増やしていない。

中国政府の7つの恐怖。

① アメリカの戦争計画は中国を封鎖すること
② アメリカは他国による中国の海洋資源の強奪を支援している。
③ アメリカは中国のシーレーンを妨害しようとしている。
④ アメリカは中国の分断を狙っている。
⑤ アメリカは中国国内の反逆者を援助する。
⑥ アメリカは中国国内の暴動、内乱、テロを助長する。
⑦ アメリカは航空母艦で攻撃を仕掛けてくる。

殺手鐗を推奨したのは1999年江沢民の軍への指示だった。

アメリカへの狙いはアメリカがハイテク情報システムに頼りすぎていること。そして世界において中国語とアメリカの軍、経済、情報、インフラに関わるコンピューターシステムの防御体制と脆弱性の探求に熱心な国はない。

人民解放軍には16のスパイ活動部門があり、コンピューターの弱点の発見、サイバー諜報活動、電子戦に専念している。

仮に第3次世界大戦が起きればコンピューターウィルスとAMPとマイクロ波を放つ兵器はアメリカ本土でコンピューター、携帯電話、航空交通管制センターを無力化し、戦場では兵士に対する指揮系統メカニズムとスマート爆弾を無力化するだろう。そうなった時アメリカはどんな戦いを強いられるだろうか。

2007年中国は自国の気象衛星を地上配備の対衛星ミサイルで爆破した。
米国は軍事情報の9割近くを衛星通信に依存しており、このミサイルは大きな脅威となる。しかし国防総省はこの中国の動きを事前に検知することができなかった。

それは英国は中国の動きを正確に捉えていないと言うことでもあり逆に言うと中国が秘密裏にやっていることが成功していると言う証でもある。中国はアメリカのアキレス腱を狙った技術の開発に専念していたことになる。

第8章 資本主義者の欺瞞

2005年中国からの亡命者の話。少なくとも時間球場の共産党交換は、北京中心部にある共産党中央党校で極秘とされる戦略プログラムを学んでいる。プログラムの履修は昇進の条件となっている。カリキュラムには古代史の研究も含まれている。さらに重要なこととして、彼らは少なくとも6冊の翻訳者を教材として、アメリカが2世紀にわたる戦略を通して、いかにして世界最大の経済国になったか、さらには、どうすれば中国はアメリカの例にならうことができるか、それもアメリカ異常に早いペースで、ということも学んでいた。中国は古代中国の政治的手腕の土台となっている、敵を安心させるメッセージを送って中国がアメリカを追い越したりしないと言う印象を与え続けてきた。

大躍進政策の大失敗

大躍進政策の裏に面白い話がある。1958年中国はネズミやハエ、蚊に加え雀は4大有害生物生物であるとして雀の撲滅を実行した。作物を食べるスズメを退治すれば穀物は増産すると指導は考えた。そして実際スズメを徹底的に殺した。

その結果スズメがいなくなったためにイナゴが大発生し作物は多大な害を被った。それに追い打ちをかけるように深刻な干ばつが中国を襲った。1958年から1961年までの間に中国では30,000,000人以上が餓死した。

欧米に比肩する経済力をつけようとした共産主義中国の初の大実験は失敗に終わった。

鄧小平の遅れた中国タダ取り思想

1978年に鄧小平が事実上中国の最高指導者になり毛沢東時代に中国経済が遅れをとったことに鑑みそれとは異なる経済路線を進むことを誓った。鄧小平は4つの近代化と呼ばれる彼の改革を打ち立てる。農業、工業、科学技術、国防に力を入れる。鄧小平は古代の老荘思想の根幹をなす「無為」を利用した。この場合は他国の支援で成し遂げると言う意味である。

鄧小平は中国の古代史と世界銀行を活用

世界銀行からの提言は1985年から20年間で輸出の構成を変え、特にハイテク製品に力を入れると言うこと。2番目の提言は外国から過剰な借金をしないこと。3番目は外国直接投資は、先進技術と近代的景勝館に限ること。4番目は海外からの投資や合弁企業の設立を経済特区に限らずKoichiに広げること。5番目は貿易会社を段階的に減らし、国有企業が独自に外国と貿易するようにすること。6番目は国家経済の長期的枠組みを構築すること。

しかし結果的に中国政府の出した結論は世界銀行のコメントと合わせて経済成長支える安定した道は社会主義経済政策と中国共産党による政治の独占を維持することだと判断した。民営化は行われなかった。

中国が4つの基幹産業で世界仕様のシェアを迅速に拡大できたのは補助金を増やし、税を控除し、土地を安く提供し技術支援した結果だ。

第9章 2049年の中国の世界秩序

2049年の世界。考えられる危機

① 中国の価値観がアメリカの価値観によって変わる
② 中国はインターネット上の反対意見を検閲(和諧)する
③ 中国は民主化に反対し続ける
④ 中国はアメリカの敵と同盟を結ぶ
⑤ 中国は大気汚染による世界終末を輸出する
⑥ 中国の成長戦略は深刻な水の汚染と枯渇を引き起こす
⑦ がん村
⑧ 欺く者が勝つ IP窃盗
⑨ 中国は国連と世界貿易機関をいっそう弱体化させる
⑩ 中国は営利目的で兵器を量産する

第10章 威嚇射撃

中国は日本を悪者にする作戦をアジア全域で開始し日本国内の聴衆にもそのメッセージを浴びせその内容は今も変わっていない。尖閣列島の中国の動きは自国内に反日感情を高めた。
そして中国の戦略はアメリカの衰退が進むにつれて中国の攻撃が強まると言う段階的なプロセスであることが判明した。

歴史から帰結する戦略を徹底して守る

① 敵の自己満足を引き出して、警戒態勢をとらせない
② 敵の助言者をうまく利用する
③ 勝利を手にするまで、数十年、あるいはそれ以上、忍耐する
④ 戦略的目的のために敵の考えや技術を盗む
⑤ 長期的な競争に勝つうえで、軍事力は決定的要因ではない
⑥ 覇権国はその支配的な地位を維持するためなら、極端で無謀な行動さえとりかねない
⑦ 勢を見失わない
⑧ 自国とライバルの相対的な力を測る尺度を確立し、利用する
⑨ 常に警戒し、他国に包囲されたり、騙されたりしないようにする

第11章 戦国としてのアメリカ

競争が始まったことを知っているのは自分だけだと言う状況で、勝つのは簡単だ。中国はそうやってアメリカを出し抜いてきた。

そのためには中国古来の知恵と戦略を学び、中国は何をしてきたかを知ることだ。
第1段階:問題を認識する
第2段階:己の才能を知る
第3段階:競争力を測定する
第4段階:競争戦略を考えだす
第5段階:国内で共通性を見いだす
第6段階:国家の協力体制を作り上げる
第7段階:政治的反体制派を守る
第8段階:対米競争的行為に立ち向かう
第9段階:汚染者を突き止め、恥入らせる
第10段階:汚職と検閲を暴露する
第11段階:民主化寄りの改革をサポートする
第12段階:中国のタカ派と改革派の議論を監視し支配する

著者は、中国語が本格的のできる米国政府の数少ない中国担当者。
執筆には50年を要したという。自己の反省を含めた教科書になっている

森本敏氏(元防衛大臣)のあとがきから

我々は現代の中国共産党政権が3000年以上もの歴史を持つ中国の歴代王朝と何らの政治的継続性や一貫性もないと考えてきた。政治的システムだけを比較すればその通りである。しかし、中国の国家戦略は中国人の歴史的知恵の産物であり、同博士は現代中国の国家戦略は孫子の兵法や戦国策から導かれる「勢」という思想に基づくと指摘する。「勢」とは「敵が従わずにいられないような状況を形成して敵を動かし、これに打ち勝つための神秘的な力」であり、「他国と連合して敵を包囲すると同時に、敵の連合を弱めて包囲されないようにすることが含まれる」という。中国共産党や人民解放軍のタカ派はこの論理を活用して、米国を操作し、共産党革命100周年にあたる2049年までに世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位を米国から奪取することを狙っているという。これが「100年マラソン(TheHundredYearMarathon)」という原書のタイトルにもなっている中国の覇権的国家戦略である。

人生100年大人の学びとして、同時代をこんなに把握できた本はない。一気に読んでしまった。
歴史、残された記録を現在に活かす中国が「学ぶ力」を駆使して覇権を奪うプロセスにしてしまうところが面白かった。
しかし、私からすると中国が覇権を取った後の社会があまり楽しいようには見えない。日本の歴史を背景にした未来戦略があるべきだと思った。

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